

「練習試合、阪神2-0サムスン」(27日、宜野座)
崖っぷち状態だった右の大砲候補コンビが、必死のアピールを見せた。阪神・陽川尚将内野手(24)が、27日の韓国・サムスン戦で実戦3本目の本塁打。江越大賀外野手(22)も4試合ぶりの安打を放った。
まずは陽川だ。二回2死一塁から、12年の韓国最多勝左腕・張ウォン三が投じたスライダーを高々とバックスクリーンへ運ぶ先制2ラン。「1打席1打席が勝負。ずっと結果が出ていなかったので、結果が欲しかった」と、切実な思いを明かした。
11日の紅白戦、16日の練習試合・楽天戦で一発を放ったが、以降の3試合は11打数1安打だった。この日の試合後も特打を行い、金本監督から直球に差し込まれない、始動を早くするタイミングの取り方を指導された。好結果にも「全然、ホッとする間もない。1日1日を大事にしていきたい」と、ひしひしと危機感をにじませた。
そして、江越は六回の第3打席で直球を左前打。前日の特打でつかんだ好感触を維持し「当たりはよくなかったけど、1本出たので。次の打席で気持ちも変わってくると思う」とうなずいた。
金本監督は「ベンチでも『崖っぷち、崖っぷち』とか言っていたけど、陽川も江越も崖っぷちから一歩前に来たけどね」と、一定の評価を与えた。開幕1軍へ向けた激烈サバイバル。若虎は“必死のパッチ”で戦い抜く。(デイリースポーツ)
◇マテオ守護神OK!左3人ピシャリ 必殺スライダーを監督も絶賛
これは本物だ。阪神の新守護神候補・マテオが実戦では初対戦となった左打者3人をピシャリ。必殺のスライダーを駆使して、2つの三振を奪う快投を見せた。
「(左打者にも)スライダーを多めに投げて良い感じだった。結果も良かったね。今後は何かを改善するというより、自分のやることを続けていくだけだよ」
出番は6回。1番から始まった韓国サムスンの上位打線を9球、わずか3分で料理した。そのうち6球が縦横2種類のスライダー。先頭打者を140キロ、3番打者は少しスピードを抑えた135キロの横に滑るスライダーで見逃し三振に仕留めた。
意図的に左打者が続く場面に投入し、スライダーを多投するように指示した金本監督は「指示したことをそのままサッとできるのは凄い。獲得する際に左打者からの奪三振率を調べて判断したからね」と絶賛。「左打者には入ってくるボールだから、打たれやすいイメージがあるみたいだけどそんなことない。俺は右投手の内角スライダーとかすごい嫌だったもん」とその決め球を高評価した。左右は異なるが、かつて打者の内角に食い込むようなスライダーを武器にしていたのが「JFKトリオ」のジェフ・ウィリアムス。「右のジェフ」と言っても過言でないインパクトだった。
キャンプ序盤はいつもドリスやメッセンジャーと一緒だったが、チームにもすっかりなじんだ。気合を入れる時に「エーイ!」と奇声を上げるクセがあり、日本人選手がマネをして笑いを取っている。「みんなに仲良くしてもらっているよ」。来日1年目にありがちな故障もなく、キャンプ完走目前。新助っ投の評価は上がるばかりだ。(スポーツニッポン)
◇藤川、ローテ入りへ前進
プロ野球・阪神の先発枠を狙って調整する藤川が27日、対外試合に初登板した。韓国プロ野球サムスンとの練習試合に先発し、2回を無安打無失点。「少しバランスが悪かった。まだまだという感じ。次に向けてはいい準備になった」と慎重なベテラン右腕に、金本監督は「(開幕ローテーションに)入ってくるんじゃないか」と太鼓判を押した。
新加入のマテオも対外試合デビュー。1回を2奪三振で左打者3人を完璧に抑え「課題を挙げるなら、走者を背負った状態でセットを止めて、制球できるか」と先を見据えた。(デイリースポーツ)












