







◇福留 九回逆転2ラン!!奇跡への扉こじ開けたが…
「広島8-7阪神」(5日、マツダスタジアム)
今季、何度見た光景だろうか。阪神・福留がチームを救う。惜しくも勝利にはつながらなかったが、またしても劇的な一打が飛び出した。「こういう結果だし」。笑顔なく振り返ったが、やっぱり頼りになる。 追い込まれた状況でこんなにも力を発揮できるものなのか。5-6の九回。犠打失敗もあって嫌なムードが漂う。そんな雰囲気の中、1死一塁で打席へ。1ストライクから、外角の球をはじき返す。高々と舞い上がった打球は左翼スタンド最前列に着弾した。一時逆転となる17号2ラン。喜びにあふれたベンチは、ベテランをハイタッチで迎え入れた。 起死回生のアーチを放ったものの敗戦。それでも片岡打撃コーチはベテランを絶賛した。「選手は最後まで諦めずに頑張っていた。福留は完全に狙い打ちでね。あの辺はさすが」。相手投手の特徴、状況、全てを踏まえて完璧に配球を読む。そして本塁打にする技術は卓越している。 今季、主将が本塁打を放った試合は15勝。この日で2敗目となった。だが、試合終盤で見せる勝負強さは特に際立っている。5打席目以降は29打数11安打、打率・379で3本塁打。勝敗に直結しやすい場面で、いかに存在感を放っているかが分かる。さらに3番で先発出場すると、打率・286。40歳を超えてもなお魅せ続ける打棒。虎の主軸にはこの男が必要だ。 首位を追走していた中、大事な直接対決の3連戦初戦を落とした。だが、諦めるわけにはいかない。この日見せた打線のように、いくら離されても食らいつく。悔しさをかみしめ、次につなげる。希望を与え続けてくれる背番号8を中心にもう一度、鯉に襲いかかる。(デイリースポーツ)



【負け投手】ドリス(3勝4敗34S)
【本塁打】松山11号(広島)
上本8号(阪神)
福留17号(阪神)
安部4号(広島)
◆広島マジック「12」再点灯、安部のサヨナラ逆転2ランで4連勝
広島が安部のサヨナラ逆転2ランで4連勝。リーグ優勝へのマジック「12」が再点灯した。 6-5での九回に阪神・福留の2ランで逆転を許したが、その裏に安部が抑えのドリスから右中間へサヨナラ4号2ランを放った。安部はこの夜、3安打5打点と大活躍した。 初回は松山の右越え11号2ランで2点を先制。2-3の三回は松山の内野ゴロで同点とし、安部の左前適時打で2点を勝ち越し。5-5の七回は安部の右前適時打で1点を勝ち越した。先発・野村は5回9安打4失点。 歓喜するスタンドのファン。安部はお立ち台で「サイコーです!」と何度も絶叫した。九回は1死から途中出場の野間が内野安打と暴投で二進。その後の一発に安部は「正直つなぐ気持ちで打席に入った。今までチームに迷惑をかけてきたので…」などと興奮気味に振り返った。 阪神は2連敗。先発・藤浪が4回5安打5失点。0-2の二回に無死満塁から併殺の間に1点。坂本の中前適時打で同点。三回は大山の内野適時安打で1点を勝ち越し。3-5の五回は北條の左前適時打で1点。六回は代打・上本の中越え8号ソロで同点。5-6の九回には福留の左越え17号2ランで逆転したが、最後は安部のサヨナラ2ランに屈した。(デイリースポーツ)