
【投手】(中日)雄太-武藤-鈴木翔
(阪神)メッセンジャー-安藤-渡辺-福原-呉昇桓
【勝ち投手】メッセンジャー(13勝9敗0S)
【負け投手】雄太(6勝7敗0S)
【本塁打】藤井5号ソロ(中日)
ゴメス25号ソロ(阪神)


苦しかった。修正する術すら見つけられなかった。毎回のように走者を出し、崖っぷちに立ちながらも踏ん張ってつかんだ白星。「最高です」と笑った阪神・メッセンジャーが来日最多、そしてハーラー単独トップに立つ13勝目を手にした。
コンディションは最悪だった。現在は娘の就学の都合で家族が帰国しており単身赴任中。前夜、「アメリカの家のことを思って」と眠りについたのは深夜3時45分だった。4時間にも満たない睡眠時間でマウンドに上がり、「フォーク以外は全部ダメだった」と立ち上がりから制球はバラバラだった。
三者凡退のイニングは一度もなし。5四球を与え、常にボールが先行した。それでも走者を背負ってからの粘り腰でゲームをつくった。六回1死一、三塁のピンチでは、荒木を内角直球で詰まらせ狙い通りの遊ゴロ併殺打。6回を2失点にまとめ、しっかりと先発の責任を果たした。
状態が悪くても、投げ出すことなく粘ってゲームをつくる精神力‐。その源は外国人選手では珍しい走り込みだ。球団関係者が「誰よりも走っているのはメッセだよ」と明かすように、全体練習の前、球場外周などを黙々とランニングする助っ人右腕の姿がある。
時には「景色を変えたい」と近隣の武庫川沿いにあるランニングコースを疾走。日本で先発投手としての活路を見いだし、誰もが嫌がる地道な練習を続けてきた。それがタフな心を生み出し、中4、5日でフル回転しても苦にならない体力の秘けつだ。
三回に高橋周を三振に仕留めたところで、日米通算1000投球回を達成した。「多いね。そんなに投げると思ってなかったからね」。和田監督が「悪いなりにしのいでくれた」とたたえた右腕。異国でキャリアを切り開いた男には、“練習は裏切らない”という言葉がよく似合う。(デイリースポーツ)

三回に追いつかれたものの、その裏、ゴメスの適時打、狩野の犠飛などで3点を勝ち越した。五回にはゴメスのソロで1点、六回にも1点を加えて勝負を決めた。
先発のメッセンジャーは6回2失点で、リーグ単独トップの13勝目を挙げた。
ゴメスは一発を含む来日初の4安打で、3打点を挙げてシーズン100打点を突破。リーグトップ独走の102打点とした。来日1年目での打点王獲得も視野に入るが「自分としてはタイトルを意識せず、得点圏にランナーがいる場面で打席が回ってきたら、ランナーをかえすことだけを考えて戦っていきたい」と話していた。(デイリースポーツ)

阪神松田遼馬投手(20)が1軍復帰のマウンドで豪快に3者凡退に抑えた。
6点リードで9回に登場。大歓声に包まれながら、初球に自己最速タイの152キロを記録した。
荒木を遊飛、ルナをスライダーで見逃し三振、森野を三飛と中軸を封じた。
「点差が開いていたので、フォアボールとかランナーをためないように、思い切りゾーンを狙っていこうと思った。そのとおりいけてよかった」と笑顔で振り返った。
昨年、中継ぎで飛躍をした3年目右腕だったが、2月のキャンプ中に右肘痛で離脱。リハビリを重ね1軍復帰した。(日刊スポーツ)