















(阪神)藤浪-加藤-榎田-渡辺
【勝ち投手】藤浪(5勝4敗0S)
【負け投手】石川(5勝6敗0S)
【本塁打】梅野3号ツーラン(阪神)
梅野4号ソロ(阪神)
ゴメス13号ツーラン(阪神)
◆ヤクルト・石川、一回7失点など四回途中10失点の大炎上
ヤクルトの石川が、阪神戦に先発し、四回途中10安打10失点と大炎上した。
2点リードの一回。いきなりの3連打で無死満塁のピンチを招くと、ゴメスの右犠飛とマートンの適時二塁打であっさりと同点に。さらに梅野に左越え2ランを被弾するなど、7安打を浴びて大量7点を失った。結局、四回途中10失点で降板。今季の阪神戦は3試合で防御率15・15。13回2/3を投げて27失点している。
石川は「初回が全てです。同じ相手に何回もやられて情けないです」と無念のコメントを残した。(サンケイスポーツ)
◇田淵以来45年ぶり!虎・梅野、ルーキー2打席連続アーチ!!
倉敷で虎打線が打ち上げ花火や!! 阪神・梅野隆太郎捕手(23)が、虎の新人では1969年の田淵幸一氏以来、45年ぶりとなる2打席連続アーチ。ルーキーの一打で、反発力のなかった打線も13安打12得点と目覚めた。チームの連敗も5で止まり、借金は1に。さあ、7月は反撃の虎や!!
桃の故郷で梅が咲いた。闘将・星野仙一を生んだ倉敷で、梅野が田淵幸一に肩を並べた。惰眠を自らたたき起こし、虎を救った。桃太郎伝説ならぬ“隆太郎伝説”の誕生だ!
「最近打っていることが少なかったので、積極性も出ずに終わっていたので、積極的にいこうと思って振りました」
負ければ今季ワーストを更新する6連敗(1分け挟む)だった。能見が左脇腹を痛めて離脱し、この日、西岡までも右ひじの張りを訴えて欠場した。しかも先発・藤浪が精彩を欠き、チームとして7試合連続で先制点を献上…。まるで鬼にとりつかれているかのような流れを見事に退治した。
3点リードとなった一回一死一塁。石川のシンカーを引っ張った。延長十二回に決勝弾を放った5月6日の中日戦(ナゴヤD)以来の3号。「久々の感触があったのでいったと思った」。さらに相手が3点差まで詰め寄ってきた四回先頭でもシュートを今度は左中間最深部にまで突き刺した。
石川とはこれで3打数3安打2四球と相性は抜群。さらに球団史上新人の1試合2発は1980年の岡田彰布以来。そして2打席連発は69年の田淵幸一以来45年ぶりの大記録だ。
「本当に光栄だなと思います」
試合前の打率は・196。練習では関川打撃コーチが密着指導し、それを和田監督、黒田ヘッドコーチらが少し離れたところから見守っていた。
ドラフト時の評価を覆し、華々しくデビューした男は初めてともいえる壁を感じた。飯を食っても食っても体重は減る。「絞っているというか…」。もちろん、そうじゃない。豪快そうにみえるが床につくと携帯電話のバイブ音が気になって目が覚めてしまう。活躍とともに1日何十回もベッドを飛び出し、電源をオフにしたこともあった。だが、その回数も徐々に減った。それが少し寂しくもあった。
「バットが出てこないんです」。首脳陣に思わず漏らした。捕手出身の関川コーチからは「配球の方から考えた方がいいんじゃないか」と視点を変えることも教わった。きびだんごのように、すべてが力になっていた。
「まだまだ勉強中なので、こういう経験を生かしながら、後半戦いいスタートを切れるように、自分自身も一生懸命頑張っていこうと思います」
和田監督は「本来、打ってという捕手。これからどんどん持ち味を生かしてほしい」と力を込めた。シーズンを最高の形で折り返した。お立ち台で梅野が最後に叫んだ。
「3連勝できるように、この波に乗って、一生懸命頑張っていきたいと思います」
チームは借金1。再び貯金生活へ、扇の要をガムシャラに守る。隆太郎が、どんな敵でもなぎ倒す。(サンケイスポーツ)